亀山城は、新城市北西部の山間地にある作手地区の中央付近に位置し、高里・清岳の盆地状平地の南東部に東から西に伸びる山稜の先端部が谷で切断され、やや南北に長い半独立状の丘稜に築かれている。
構造は、北よりの標高547m、比高約30mを測る頂部に四囲を土塁で囲繞された楕円形の本丸を置き、平入り虎口を南北に開けている。両虎口とも平入りであるが、北虎口は両側の土塁天端を広くし、更に前方に桝形状虎口を重ねている。桝形状虎口の東側には二の丸が構えられており、侵入者に四方より攻撃を加える強固な防御構造となっている。南虎口は前面に土塁を備えた西曲輪を構え、馬出機能を持たせている。西曲輪を出ると東側に一段高い南曲輪が迫り、その裾を回り込み下ると途中西側に西曲輪下方に位置する腰曲輪がある。南虎口に向け城外より城道を登ると南曲輪が前面を阻み、裾を回り込み進むと南曲輪や腰曲輪、そして西曲輪や本丸から攻撃を受ける。
これら主要部の周辺にも腰曲輪状の平坦部や空堀が廻らされ、北東部には機能不明の土塁で閉じられた東曲輪が置かれている。
この城で一番見応えがあるのは、虎口付近や空堀の遺構で、地元の方々による手入れが行き届いており、存分に楽しめる。
なお、南北虎口からの成道は、城下の蔵屋敷や姫屋敷などの屋敷群に通じていたようである。
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