◆ 構造と感想 |
![](genbao3.jpg)
現地の縄張図より |
方形の主郭を中心とし、その南北に郭が並び、各郭を一本の道が貫通する形になっている。しかし、その道は複雑に折り曲げられ、枡形虎口・食い違い虎口・横堀・土橋・馬出・横矢掛かりなどの施設が設けられ、通路に対し守備側の防御や反撃がしやすい縄張りが造り出されている。今も巨大で鋭い造りの各施設が見事に残っている。
この城は、勝家軍の他の陣城が単郭なのに対し、複雑な縄張りとなっており著しい差異がある。他の勝家軍の陣城とは異なった戦略的な考え方があって築城されたものであろう。
遺構の残存度は完璧と云える。加えて地元の方々による管理が行き届いており、何時訪れても堀・土塁の形態・規模が余すところなく観察でき大変に嬉しい。このような山城は、本当に少ない。また、車で近くまで行けるのも大変に有り難い。
城からの眺望は、南東方向に北国街道を木之本方面まで一望でき、その先には近江北部の平野が広がっている。
当時は、この辺りの山々は高木がなく笹や灌木に覆われていたようで、玄蕃尾城からは四囲の山々に陣した各城砦や軍勢の様子が手に取るように眺められ、現地に立つと勝家がこの地に城を築いたことが頷ける。
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