小鷹利城は、白川郷から高山へ至る湯峰峠の南側、向小島城の西方約1kmにある標高788mの黒内山山頂に築かれている。
頂部に主郭を置き、その南・西・北側を取り巻く二の郭を梯郭式に設け、二の郭の南側に三の郭を付帯させている。この中心部から四方に伸びる各尾根には、堀切や削平地などを設けているが、中心部周辺に強固な防御施設を集中させている。
敵の正面となる湯峰峠方向の西斜面には、一部横堀を伴った十数本の畝状空堀群を穿ち、さらに北西へ続く尾根に二重堀切と小ピークの外にもう一本堀切を入れている。北側は西斜面の横堀の端を土塁を伴う竪堀として落とし、北支尾根に三段の段郭と設け、その北西側面には小竪堀を三本入れ、先端を掘り切っている。南西支尾根にも一本大きな堀切を入れ、この堀切上となる三の郭には土塁も設けている。三の郭は西に張り出ており、西斜面に対し横矢が効く。三の丸の南下方は横堀を兼ねる大堀切を入れ、東端に二本の竪堀を落としている。この竪堀の北側に登城路が登り、三の郭東面の虎口にクランクして取付く。三の郭を南西に下りた緩斜面が馬場とされる。
この城の規模は100m程と小さいが縄張りは発達しており、虎口等には金森氏の改修が窺え、なななかメリハリのある遺構を見ることができる。
|