二条城  No26104−01 (にじょうじょう)       

天守台と濠 本丸東虎口の東橋と櫓門
二ノ丸唐門 二ノ丸御殿

城郭の概要                  
別  名 : 二条亭
所在地 : 京都市中京区二条通堀川西入二条城町
築城年 : 慶長8年(1603)
形  式 : 平城
遺  構 : 天守台、櫓、門、御殿、石垣、濠
訪城日 : 平成23年11月13日

歴   史
二条城は、慶長5年(1600)9月の関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康の命により、慶長7年(1602)5月に御所の守護と上洛時の宿所として着工された。翌8年(1603)2月家康は征夷大将軍に任ぜられ、3月には二条城で拝賀を受けており、その頃には主要部分が完成していたと考えられている。
当初の二条城は、現在の二ノ丸御殿を中心としたほぼ正方形の小規模なもので、城郭の感は乏しく、二条亭または二条新御所、二条新屋敷などと呼ばれた。
その後、家康は上洛の度に滞在し、慶長16年(1611)3月豊臣秀頼と対面したのもこの城であり、また、慶長19、20年(1614、1615)の大阪冬・夏の両陣にはこの城から秀忠とともに出陣している。
元和6年(1620)二代将軍秀忠の女和子が後水尾天皇の女御として御輿入れするにあたり、御座所や大広間、二の間などが増築され、現在に至る二ノ丸の姿になったと推定されている。また、今日の二条城の形に整備されたのは、三代将軍家光の時の寛永3年(1626)後水尾天皇の二条城行幸に際してで、伏見城の遺構などが移され、天守を含めすてべてが完成したと云われている。
その後、行幸御殿は後水尾上皇の御所に移築され、さらに寛永11年(1634)7月に家光が上洛して入城したのを最後に長らく将軍の入城が途絶え、この間に徐々に建物は破損、老朽化し、また、寛文2年(1662)5月の大地震で石垣と二ノ丸殿舎が被害を受け、寛延3年(1750)には落雷により天守が焼失、天明8年(1788)の火災では飛び火により本丸御殿、隅櫓などが焼失した。
家光の上洛から229年を経て、第14代将軍家茂が文久3年(1863)上洛するに際し、荒れ果てていた二条城に改修の手が入り、二ノ丸御殿は全面的に修復され、本丸には仮御殿が建てられた。家茂の後を継いだ慶喜は、慶応3年(1867)10月には大政奉還を決意、この城から上表した。
このように二条城は、徳川幕府の初期と最後に歴史の表舞台となった城である。
明治元年には朝廷に接収され太政官代が置かれ、東京遷都後の明治4年には京都府の所管となり、二ノ丸御殿内に府庁が置かれ、その後しばらく陸軍省に属したが、明治17年(1884)宮内省の所轄となって二條離宮と改められ、桂宮御殿を移して修理が加えられた。昭和14年(1934)離宮廃止とともに、京都市に下賜され、それ以来「元離宮二条城」という名称となって現在に至っている。

構造と感想
二条城は、現在の京都御所の西南西約600mに位置し、かつて平安京の大内裏や神泉苑であった所に所在している。
構造は、本丸を二の丸で取り囲む輪郭式で、本丸が中央より西寄りに配されている。本丸は約150m四方のほぼ正方形で、その外周を内堀と二の丸が取り巻き、さらに二の丸の周りに外堀が造られている。全体の規模は、東西約500m、南北約400mである。
二の丸は、本丸の北と南にある仕切門によって東西に分かれているが、その東側部分が家康による創建時の本丸であり、本丸のみで構成される単郭式であった。西側部分は、南北の幅が少し狭くなっており、家光の時代に行われた寛永の大改修によって拡張された部分である。
外周をめぐり濠に石垣、隅櫓に櫓門などの遺構を見ていると、その姿は城郭そのものであるが、巨大な櫓門である東大手門から城内に入ると、正面に築地塀があり、左に折れ、右に折れ進むと築地塀の間に唐破風を戴いた優美な姿の煌びやかな装飾を施した唐門が目に飛び込んでくる。唐門を入ると寺院と見まがう大きな建物があり、それが二ノ丸御殿である。
唐門を出て右手に進み、突き当たりを右に折れ、桃山門を通り本丸の東側を中程まで行き、内堀に架かる東橋から濠に張出した本丸櫓門を通り抜け、内桝形で右に、左に折れて本丸へと入る。
本丸には明治26〜27年(1893〜94)にかけて旧桂宮邸を移築した本丸御殿が残されているが、周囲は石塁で南西隅には天守台があり、層塔型五層五階の伏見城から移築された天守が建てられたが、寛延3年(1750)に落雷で消失し、以後は再建されていない。天守台から北の西面に外枡形の西門が開いている。
二条城の縄張りは城郭そのものであるが、建物には公家風の趣が色濃く、不思議な空間となっている。

道 案 内
京都駅から地下鉄烏丸線に乗り「烏丸御池」駅で下車し、地下鉄東西線に乗り換える。太秦天神川行きに乗り、一駅目の「二条城前」駅で下車する。1番出口を出ると二条城が見える。

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  現地の配置図          南東隅櫓
本丸御殿玄関     本丸御常御殿       西虎口外枡形