鳶ヶ巣山砦  No23581−04 (とびがすやまとりで)       

戦没将士の墓 主郭の土塁

城郭の概要                  
三郭
別  名 : 乗本村砦
所在地 : 新城市(鳳来町)乗本鳶ケ巣
築城年 : 天正3年(1575)
形  式 : 山城
遺  構 : 土塁、空堀、竪堀
訪城日 : 平成26年8月24日

歴   史
天正3年(1575)5月初め武田勝頼が長篠城包囲のために宇連川左岸の山上に築いた5砦の1つである。上流側から下流に向け、君ヶ伏床には和田兵部、姥ヶ懐には三枝勘解由兄弟、鳶ヶ巣には主将武田兵庫頭信実、中山には名和無理之助および五味与惚兵衛、久間山には大戸民部などが陣取った。
5月20日武田軍本隊が織田・徳川連合軍が布陣する設楽原に向け進軍する際、勝頼は鳶ヶ巣山砦の武田兵庫頭信実以下3千の兵を長篠城の押さえに残した。5月21日夜明け、徳川の臣・酒井忠次率いる東三河の3千の兵(鉄砲500挺)がこれらの砦を急襲した。信実以下は激しく応戦したが、信実はじめ多数の名のある武将が討死し追い落とされた。同時刻、設楽原では武田軍本隊が織田・徳川連合軍の陣地へと突進を開始した。

構造と感想
長篠城の南側を流れる宇連川を挟んだ対岸の丘陵地帯に5砦が築かれ、その中央に位置するのが鳶ヶ巣砦で武田信玄の弟・信実が陣を構えた。
東西に延びる尾根筋の約600mに亘って幾段もの削平地が連担しているが、陣跡であり遺構らしきものは少なく、また、一部は道路設置や宅地利用により改変も受けており、構造や城域はよくわからない。
主郭と思われるところには、慰霊碑や説明板が建てられ、周囲に低土塁と空堀が残存している。主郭から奥に坂道を下ると三郭があり、よく長篠城が見える。

道 案 内
新東名高速の新城インターを下りて国道151号を北方向に入り、次の清井田交差点で右折する。東に道なりに2.2km程行くと豊川(宇連川と寒狭川の合流点)にかかる牛渕橋に至る。橋を渡った十字路(左手対面に小さな案内板がある。)を直進し細い道に入る。後は道なりに山頂まで880m程上ると左に戻るように分岐する道があり、そちらの道に入り100m程で主郭に建てられた「戦没将士の墓」の前に至る。

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