虎松山城  No30428−01 (とらまつやまじょう)       

尾根筋上の畝状空堀 北端の二重堀切

城郭の概要                  
別  名 :
所在地 : 東牟婁郡串本町和深
築城年 : 室町期
形  式 : 山城
遺  構 : 土塁、堀切、竪堀、畝状竪堀
訪城日 : 平成28年5月15日

歴   史
潮岬に近い和深浦の海岸から和深川を1km程さかのぼった河畔に、「御高屋敷」とその裏山(比高10m)に単郭の「和深浦城」の根小屋式城郭があり、城主は村上源氏の流れを汲み、和深八幡の神主でもある在地領主の村上氏と推測されている。
虎松山城も和深浦城主村上氏の山城と伝わっているが、城歴等詳細は不明である。

構造と感想
虎松山城は、和深浦城から約1km北、和深川と鹿淵川の合流点に北から張り出す尾根の先端頂部(標高110m)に築かれている。
構造は、土塁で囲繞されたT郭とU郭が大堀切を隔て南北に並んでいる。南のT郭が高く主郭で北のU郭が副郭である。
主郭は、北側の土塁が高く分厚く、背後への備えがうかがえる。虎口は南側と東側に平入り虎口が開き、東側は虎口受けを経て南下の西端を竪土塁で遮断した広い郭に下りる。T、U郭とも東斜面には横堀が付帯している。
主郭から南東に伸びる尾根は二重堀切と食違いの竪堀を入れ、防備を固めている。こちらが大手か。
T、U郭間の堀切は両斜面に竪堀となって落ち、特に東竪堀には竪土塁が付いている。U郭の北側は、この城でのみ見られる独特な構造の防御施設が設けられている。
標高336mの牟礼山に続く痩せ尾根に堀切と空堀を入れ、その外側の東斜面に畝状竪堀を穿ち、北に緩く傾斜する尾根上には尾根筋に平行の4本の土塁が築かれており、堀状の窪みを造り出している。その北側に2本の堀切、さたに外側に巾5mの大堀切を入れ、厳重に尾根続きを遮断している。尾根筋に平行な畝状空堀は、他の城跡には見られないものである。 これを見忘れなきように・・・

道 案 内
国道42号の和深地区に入る「JR和深駅」の道路案内標識があり、320m程東進した和深交差点で左折し県道39号線に入る。800m程北上した右手の小河口区集会所辺りの空地に駐車可。集会所から北に40m程行き橋を渡る。橋から250m程道なりに進むと左手に私設の簡易橋が架かっているので渡り山裾に向う。山裾の杉林内を東へ回り込んで南東尾根の先端から直登すると城跡にたどり着く。

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尾根筋上畝状空堀の東側畝状竪堀         U郭の北方向   

 
T、U郭間の堀切     T郭東側横堀の北端部

 
T郭東側の横堀         T郭の北方向

 
T郭の北側土塁        T郭の南虎口内

 
南端の腰郭          南東端の堀切