八辻城  No29385−01 (やつじじょう)       

物見台東側の堀切 主郭(居館跡)

城郭の概要                  
別  名 : 桃俣城
所在地 : 宇陀郡曽爾村掛字八辻
築城年 :
形  式 : 山城
遺  構 : 土塁、堀切、井戸、馬隠し
訪城日 : 平成23年5月7日

歴   史
八辻城は、在地土豪である桃俣三田氏の築城とされ、伊勢本街道・鞍取峠を押さえる要衝の地にある。
永禄年間(1558〜70)に北畠具教の軍により落城している。天正5年(1577)にも落城の伝承があり、北畠家再興を期した北畠具親側の勢力が織田勢に攻められたと見られている。
いずれにしても城歴等の詳細は不明である。

構造と感想
八辻城は宇陀郡曽爾村にあり、城跡は「八辻の森」として整備されている。八辻城の東が北畠氏の本拠地である多気で、宇陀郡を支配下に置いていた北畠氏にとって、この地は要衝の一つであった。
構造は、尾根筋より20m程北側に下がった山腹に東西面に土塁を伴う広い主郭(居館跡か)を置き、尾根筋上に詰城機能の山城部を構えている。山城部は、東西にのびる尾根上の鞍部を隔てた頂部に郭を配し、鞍部の細長い平坦地も郭と考えらる。その東側は馬隠しの伝承を持つ窪地がある。西側の標高661mの山頂部(鞍ヶ坂)には、物見台(あるいは狼煙台)と見られる削平地を置き、周囲を帯郭が取り巻き、東と南西側を堀切で遮断し、北西支尾根には段郭を二、三段設けている。東の頂部には、小郭と東側に二段の段郭、北側に腰郭を付帯させている。主郭の東西谷部に水の手跡があり、現在も湿って周囲より黒く見える。
 
  馬隠しの大窪地         物見台の帯郭と坂土塁

道 案 内
国道369号で宇陀市から曽爾村に向け東進し、掛地区の八辻橋バス停右手の「八辻の森」頂上が城跡である。登城口は、八辻橋バス停の手前にある喫茶店の斜め向かい側にある山道を登っていくと東屋と「八辻の森」説明板があり、館跡まで25分程である。国道の余白に駐車する。

登り口     : 城跡 TOPへ 戻る