No25366−38 No25366−39
馬杉本城 栢ノ木城
(ますぎほんじょう) (かやのきじょう)

馬杉本城 西面の虎口 栢ノ木城 南よりの遠景 

城郭の概要                 城郭の概要
別  名 : 馬杉氏城 別  名 :
所在地 : 甲南町上馬杉字城出、大谷 所在地 : 甲南町上馬杉字栢ノ木
築城年 : 室町期 築城年 : 室町期
形  式 : 丘城 形  式 : 丘城
遺  構 : 土塁、堀切、虎口、 遺  構 : 土塁、堀切、虎口
訪城日 : 平成24年4月29日 訪城日 : 平成24年4月29日

歴   史

・・・・馬杉本城・・・・は、『甲賀郡志』に「六角氏白旗隊馬杉丹後守の築く所にして、元亀年間同氏の衰亡と共に遂に廃墟となる。」と記されている。また、馬杉氏の本拠と伝承されている。
・・・・栢ノ木城・・・・は、構えから伊賀国の藤林長門守城の支城と考えられているが、詳細は不明である。


構造と感想
・・・・馬杉本城・・・・は、上馬杉のうち、南の丘陵から上馬杉集落の中央へ張り出した独立丘状の尾根先端部に築かれている。
北東面を除き土塁に囲繞された主郭は、東西約25m、南北約30mあり、馬杉地区内の城跡としては最大規模とされる。虎口は、北面と西面に開口しているが、北虎口の東側土塁は最近に削り取られ消失している。通路は、西側斜面を下り、北腰郭を経て西麓に通じている。西虎口は西側の小さな帯郭の段列に通じ、さらに西下にある西腰郭を見下ろす位置にある。南面の土塁は、巾が広く見張り台の役割を果たしたと見られている。尾根続きの南背後は鞍部となるが、その手前に小さな二重の堀切、さらに手前に巨大な堀切を設けて厳重に遮断している。また、巨大堀切の堀底西端には小さな土塁を設け武者隠しとし、北西下方の帯郭を睨んでいる。
馬杉氏の本城だけあって堅固な防御を誇る遺構が残されている。
・・・・栢ノ木城・・・・は、上馬杉の南東端に所在し、甲賀・伊賀で一般的な構造をした城で、栢ノ木の小盆地の東側に南西に張出した尾根の先端に築かれ、同盆地を抑える役割を担っていたと推測されている。
構造は、先端頂部に四方を土塁に囲繞された主郭を置き、北西にのびる支尾根に二段の段郭を付帯させている。北東の尾根続きは堀切で遮断し、城内側に櫓台状の土塁を築き、防衛ラインとしている。
当城は、全く手入れされておらず、山裾の全周に矢竹が密集・繁茂しており、道らしきものもなく登るのに大変苦労した。

道 案 内
・・・・馬杉本城・・・・は、新名神高速を下りた甲南IC口交差点を右折し、広域農道に入る。広域農道を南に道なりに4.3km程行くと野川南交差点に至る。同交差点を直進し、県道134号線から135号線を道なりに1.9km程走ると県道が大きく左にカーブする。その手前に南から取付く細い道があり、右折してその道に入る。90m程南進して浅野川を渡ったY字路を左手に進む。100m程行った右手の丘陵が城跡である。人家の北側少し手前から山に向かって入って行く。
・・・・栢ノ木城・・・・は、野川南交差点から県道134号線を走り、1.4km程来たT字路で右折する。市道を道なりに南に1.8km程行ったT字路で左折する。県道50号線に入り東に340m程行き、左方向の県道51号線に入る。県道51号線を1.0km程行って左手の登りの農道へ左折し、50m程入ると広々した農地が広がっている。その先30m程行き駐車する。北北東に60m程の丘陵先端部が城跡である。

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馬杉本城 主郭背後の堀切 栢ノ木城 北西部の土塁
馬杉本城 北西隅の土塁内 栢ノ木城 北西尾根の段郭
馬杉本城 遠景