No25365−25 No25365−26
大鳥神社遺跡 垂井城
(おおとりじんじゃいせき) (たるいじょう)

大鳥神社遺跡 主郭北側の堀 垂井城 西郭の東側土塁

城郭の概要                 城郭の概要
別  名 : 別  名 : 甲斐屋敷
所在地 : 甲賀町鳥居野字河合寺 所在地 : 甲賀町大原中字甲斐屋敷
築城年 : 築城年 : 明応年間(1492〜1501)
形  式 : 平城 形  式 : 平城
遺  構 : 土塁、堀、虎口 遺  構 : 土塁、空堀
訪城日 : 平成25年3月9日 訪城日 : 平成25年3月30日

歴   史

・・・・大鳥神社遺跡・・・・は、元慶6年(882)に伊賀国より勧請されたと伝えられる大原谷の総社である。明治維新前は、河合祇園社・河合牛頭天王社などと呼ばれた。本殿の西側に天台宗河合寺が神宮寺として合祀され、複数の子院を抱え栄えていたが、神仏分離により廃寺となった。
・・・・垂井城・・・・は、『甲賀郡志』に明応年間(1492〜1501)に垂井甲斐守が築いたと記されている。明応4年(1495)の「油日御造宮御奉加之人数」(油日神社所蔵)の木札に「垂井殿」の名がある。
垂井氏は、甲賀五十三家に数えられた大原氏の庶流で、甲斐守である大原家村が垂井を称しているので、その一族であろうとされる。
家村は長享の乱で戦功をあげた為家(源三)の父である。為家が長享年間にこの地を支配し、甲賀二十一家の一つに数えられている。為家の子の家親は、加津井を名乗り、勝井氏の祖となる。


構造と感想
・・・・大鳥神社遺跡・・・・は、甲賀町鳥居野集落の北方、標高243mの天王山南麓に位置している。大鳥神社本殿の北西約50mの山際に堀と土塁によって囲まれた東西約35m、南北約25mの主郭、その南側に南を除き三方を土塁で囲まれ、西側には堀を伴った東西約20m、南北約25mの(南)郭があり、この二区画が滋賀県の中世城郭分布調査で城館遺跡として取り上げられながら○○城とは呼称されず、大鳥神社遺跡とされ、一覧の現況では「林(河合廃寺)」と記されている。
これらの区画以外にも(南)郭の東側に北を除く三方を土塁に囲まれた東西約20m、南北約30mの(東)郭、主郭の北側から東の丘陵裾部を削平した主郭面より2.5m高い平坦地、さらに本殿の東側から北にも土塁が見られる。
残る遺構は、いずれも小規模で貧弱な施設で、遮断性や防御性が不十分であり、城郭遺構とは考え難く、大鳥神社と河合寺に伴うものとして城郭類似遺構とされる。
・・・・垂井城・・・・は、甲賀町大原中のうち南集落の西方、大原川に面する段丘端部に所在する。遺構内を市道が貫通し、住宅が建ち、改変を受けつつも辛うじて半ば近くの遺構が残存している。
構造は、東西に同規模の二つの郭が並ぶもので、(東)郭が東西約35m、南北約50m、南、西、北側をコの字状の土塁が囲んでいる。西側の土塁は、高さ約6m、下巾約14mと巨大であるが、北と南側は高さ約2.5m、下巾約6mの規模となる。東側の土塁は消失しいるが、宅地の境に30cm程の段差が見られ、土塁の基底部の痕跡と考えられいる。北と西側の土塁外には堀がめぐっており、北側の堀が巾約7m、深さ約1.5mで二ヶ所で池になっている。西側の堀は、(西)郭の東側土塁との間になり、土塁底で深さを感じる堀で、巾も約12mと広い。虎口は南面中央の現在の宅地進入路に重なる位置にあったと思われる。
(西)郭は東西約38m、南北約50m、東、南、西側に土塁が部分的に残存する。東側土塁は、高さ約4m、下巾約10mであるが、西側が道路で削られている。南側は高さ約2m、下巾約4mで、天端には祠が建てられ、側面が削られ改変を受けている。北側は北半分が残り、高さ約3m、下巾8〜10mで、北端部の上幅が広くなって櫓台状を呈する。東側土塁の北端に堀が回り込んであり、本来は北側にも土塁があったと想定される。
(東)郭と(西)郭は空堀を共有しているが、行き来が出来ず、独立したような縄張で、別個の城郭であった可能性も指摘されている。

道 案 内
・・・・大鳥神社遺跡・・・・は、新名神高速道を甲南インターで下りた最初の交差点である甲南IC口交差点で左折し、広域農道に入り560m程北進すると新治口交差点に至る。新治口交差点で右折して、東に2.4km程行くと突き当たりのT字路に至る。T字路を左折し、360m程北東に行くと県道4号線の野尻交差点に出る。そこを右折し県道4号線を道なりに3.9km程行った大原市場交差点で左折する。県道24号線に入り北に570m程の相模交差点で右手斜めに進む。北東に550m程行った所のY字路を左手に入り、北に170m程入った突き当たりが大鳥神社である。
・・・・垂井城・・・・は、県道24号線の相模交差点を右手斜めに進み、道なりに900m程行くと鳥居野交差点に至り、その交差点を直進し、県道129号線に入る。県道129号線を410m程行ったY字路を右手に進み、30m程先で右折する。南西に100m程行った両側が城跡である。

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大鳥神社遺跡 主郭西面の土塁 垂井城 東郭の南虎口
垂井城 東郭の北側堀と土塁