No25365−12 No25365−13
伊賀見城 高嶺南城
(いがみじょう) (たかみねみなみじょう)

伊賀見城の東側堀切 高嶺南城の東側堀切

城郭の概要                 城郭の概要
別  名 : 別  名 :
所在地 : 甲賀町高嶺字天岡、西街道 所在地 : 甲賀町高嶺字杉ノ後
築城年 : 築城年 :
形  式 : 丘城 形  式 : 丘城
遺  構 : 土塁、堀切、櫓台、土橋 遺  構 : 土塁、堀切、
訪城日 : 平成23年5月14日 訪城日 : 平成23年5月14日

歴   史
・・・・伊賀見城・・・・
伊賀国側の史料である「三国地志」に「江州鷹峯郷司鷹峯伊太郎拠る処と云」とあり、甲賀武士である高嶺(鷹峯)氏の城とされる。しかし、高嶺氏が城主と伝わる高嶺南城とともに、高嶺集落から離れた国境の丘陵上に構えられており、在地支配よりも、国境の守備を目的とした城と考えられている。
・・・・高嶺南城・・・・
伊賀国側の史料である「小杉村地誌取調上申書」に「元亀天正の頃、本村の郷士高嶺某この所に依ると云」とあり、在地の土豪と思われる高嶺(鷹峯)氏の城としている。しかし、高嶺氏は甲賀国高嶺の領主として知られているため、高嶺氏が国境をまたいで勢力を張った可能性も考えられるが、実態は不明のようである。

構造と感想
・・・・伊賀見城・・・・は、高嶺地区の南端にあり、近江と伊賀の国境を東西に走る丘陵上に築かれている。主郭は約45m四方で四囲に土塁がめぐり、北面、東面、西面の高さは2〜4mに及ぶが、南面は1mにも満たない。北東隅と北西隅は巾が広く、一段高くなっており、櫓台と考えられている。丘陵続きの東・西側と尾根が派生する北西側には堀切を設け遮断している。東側堀切の南端に土橋が架かり、主郭南東隅の開口部と城外を結んでいる。城道は、高嶺南城側へ出ており、尾根筋を通じ同城と連絡していたか?
土塁や堀切、虎口など主郭およびその周囲の遺構は、良く残っており明瞭で見応えがある。
なお、主郭の周囲に数か所の削平地が認められるが、開墾されており、城域か判定出来ないようである。また、この城の役割や甲賀郡中惣との関わりなどの解明が今後の課題とされている。
・・・・高嶺南城・・・・は、伊賀見城の東南東約200mの標高248mの丘陵上に築かれている。主郭は、45m×40mの方形で、四囲に土塁がめぐり、南西面を除く三方の土塁は、高さ3m、巾3を測る。南西面は、高さ、巾とも半分の1.5m程度である。土塁は、東隅と北隅で巾が広くなり、塁線から迫り出している。丘陵続きとなる北西側と南東側は堀切を設けて遮断している。虎口は南西面のやや東寄りに開口しており、両側の土塁は少しずらされ、南東側が外側に張り出ている。城道は、虎口を出ると左に折れ、南東側の腰郭から堀切底を通り、高嶺集落側へと下りていたようである。この城道ルートから甲賀側が県境伝いに通る伊賀越え道を監視するために、築城したと考えられている。
それにしても全く手入れされておらず、笹が繁茂し近づくこともできないような状態であった。

道 案 内
新名神高速道を甲南インターで下りて最初の交差点の甲南IC口交差点で左折し、広域農道に入り560m程北進すると新治口交差点に至る。新治口交差点で右折して、新名神沿いを東に2.4km行くとT字路に突き当たる。T字路を左折し北東方向に360m程進むと野尻交差点である。野尻交差点で右折して、県道4号線に入り道なりに5.5km程JR草津線沿いを進むと油日農協前交差点で、同交差点を右折して50m先のJR草津線を渡る。渡って直ぐのY字路で左手の油日小学校沿いの県道51号線に入り、南に道なりに3km程進むと緩やかな右カーブにさしかかる。
・・・・伊賀見城・・・・へは、右カーブから100m程先で今度は左にカーブし、さらに南に400m程進むと東に入る道路があり、そちらへ左折する。200m程東進すると左手にグラウンドがあり、グラウンドの南西100m程先の丘陵上に伊賀見城がある。グランド南西隅のT字路付近から圃場の方向に沿って山裾に向かい、山裾の小川を渡り、直登すれば直ぐ城跡である。
・・・・高嶺南城・・・・へは、右カーブから100m程先で今度は左にカーブし、さらに南に400m程進むと東に入る道路があり、そちらへ左折する。200m程東進すると左手にグラウンドがあり、さらに260m道なりに進んで(道の左側に張り出している西から二番目と三番目の尾根の中間辺り。)路側に駐車する。そこから南西方向60m程先に丘陵の頂部があり、その東部域が城跡である。道路から圃場を通り山裾に向かい、小川を渡って直登すれば直ぐに城跡である。
(県道51号線から県境に横たわる丘陵南側にある東海自然歩道に入り、南斜面を登り訪城出来るようであるが、私は詳しい登城路が分からなければ、一般的に南斜面は灌木、笹等の繁茂が激しいので、北側から登城するようにしている。)

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伊賀見城の北東側隅の櫓台 高嶺南城の北東切岸
伊賀見城の虎口