大坪城  No23544−03 (おおつぼじょう)       

主郭の北方向 主郭南東下の堀切と仕切土塁

城郭の概要                  
別  名 :
所在地 : 豊田市(旧旭町)大坪町字大入
築城年 :
形  式 : 山城
遺  構 : 堀切、畝状竪堀、横堀、土塁、虎口、
訪城日 : 平成31年3月22日

歴   史
築城時期や城主等は不明であるが、畝状竪堀群が東美濃の明智城と類似性が高く、反今川勢力に共通する技術と考えられることから、大坪古城の領主が大坪城築城時にこの技術を導入したと推測されている。さらに虎口に折れを付け巧みな造りをしていることから、武田軍の三河侵入時にも改修がされたと考えられている。

構造と感想
大坪城は大坪集落の南に東の山稜から西へ張り出してきた尾根の中程 標高430m、比高60mに築かれた山城である。北西500mには大坪古城がある。
頂部に主郭を置き、南東尾根続きを二条の堀切で遮断している。この内堀切は堀切内をニ本の土塁で仕切り、堀切内の移動を阻んでいる。内堀切の南端からは「へ」の字に折れて竪堀が落ち、西側に平行してもう1本竪堀が入れられている。北端からは主郭と二郭の東下から北西下を取り巻く帯郭へと繋がっている。帯郭の三ヶ所ある尾根状張り出し部は掘り込んで横堀とし、帯郭の所々に竪堀を落とし防備を固めている。
主郭の北西一段下に二段からなる二郭を配し、南東を除く三方に帯郭を付帯させている。主郭の西隅に虎口が開き、クランク状に坂道を下りて二郭上段へ連絡している。二郭上段の南虎口を出て、二郭南西下の帯郭を北西に進み西端の虎口から尾根の登城道に出るようになっている。西端虎口を入ると前面の土塁と切岸によって前進を阻まれることから、一旦南に折れ直ぐに東に折れて帯郭に入る。西端虎口の北東側にはニ本の竪堀が落とされ、東への回り込みを防いでいる。城道となっている帯郭の南西下に横堀が見られる。
主郭の南西下には腰郭が設けられ両サイドと中央に竪堀が落とされ、主郭への回り込みに備えている。
小規模ながら中心郭の周囲を帯郭、堀切、竪堀、横堀などで防備し、虎口にも折れを入れるなど巧みな造りが残る城跡であるが、やや草木が繁茂しており見ずらいのが難点である。

道 案 内
猿投グリーンロードの枝下インターを下りて県道11号線の北東方向に入る。矢作川沿いを13.5km程走ると右手に笹戸カントリーの案内板があるT字路に至る。そこで右折し直ぐに橋を渡り、そこの突き当たりで右折する。県道355号線に入り南西方向に500m程進むと左折出来る道があり、そちらに左折する。2km程カーブの多い道を道なりに進むとT字路に突き当たる。そこで右折し県道490号線に入る。県道490号線を1.2km程行くと右手に笹戸カントリーの案内板があり、そこで右折する。そこから420m程進むと右手に笹戸カントリークラブの石柱があり、そこから左手の登り道へ入る。ゴルフ場のフェンス沿いを600m程進むと右折できる道があり、そちらへ右折する。付近の余白に駐車し、分岐から35m程入った左手に鉄塔の巡視のための細い山道があり、それを登って行くと鉄塔があり、そこから尾根筋さらに登って行くと城跡に至る。

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主郭南東下堀切の竪堀         主郭北下帯郭の横堀部


主郭南西下の腰郭と竪堀         主郭西虎口への坂土塁


      二郭の下段        二郭北下帯郭からの竪堀

西端虎口の土塁      南西斜面の横堀